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宇宙開発と、医学・栄養学の架け橋を
目指す“宇宙・医学・栄養学” 誌を創刊!

2019 年 10 月に「宇宙・医学・栄養学」誌を創刊することとなりました。
気象予報や GPS、国際宇宙ステーション(ISS)での実験、さらには月探査・月面利用など人類に
残されたフロンティアである宇宙は、本格的な利用の時代を迎えています。
一方、宇宙は放射線が飛び交い、微小重力など、人類にとっては過酷な環境が立ちはだかっています。
宇宙飛行士が、安全・安心して、火星で活動するためには、宇宙環境により起こりうる疾患
(いわゆる宇宙病)と考えられる骨粗鬆症、筋萎縮や放射線障害などを克服するには、
医学、栄養学の進歩と支えが必須です。また、ここで得られた知見は、超高齢化社会における
寝たきりや骨・筋萎縮、災害時の健康管理に応用ができます。
本誌は、ISS でのライフサイエンス実験を提案した二川健(徳島大学教授)を編集委員長にお迎えし、
他に類を見ない、宇宙の医学・栄養学に関する貴重な学際的研究論文や総説論文を、
宇宙の最新情報とともに掲載いたします。
読者は、宇宙、医学、栄養学の研究者、医師、看護師、栄養士から食品・製薬メーカー、
宇宙に関心のあるすべての方々を対象としています。
特に、次世代を担う方々からも投稿原稿を受け付け、誌上で議論できる場を提供したいと
考えています。本誌の情報が、活力ある社会の創造に少しでも資することができれば幸いです。
ご期待ください。
2019 年 10 月吉日
株式会社篠原出版新社


◇「宇宙・医学・栄養学」誌 概要◇


創 刊 2019 年 10 月 18 日(予定)
発 行 年 2 回刊
定 価 1,800 円(+税)
判 型 A4 版
ページ数 100 ページ
ISBN 978-4-86705-751-3
発行部数 4,000 部
発 行 株式会社篠原出版新社
(お問い合わせ先:E-mail:info@shinoharashinsha.co.jp)
企画協力 株式会社コンパス http://www.compass-tokyo.jp/smn/
(お問い合わせ先:E-mail:smn@compass-tokyo.jp

◇「宇宙・医学・栄養学」誌 創刊にあたって

「宇宙・医学・栄養学」誌
編集委員長
二川 健(徳島大学

宇宙栄養研究センター
センター長)

2019 年は、アームストロング船長が月に降りたってちょうど 50 年目です。これを記念して NASA は、
2024 年までに人類を再び月面に送る「アルテミス計画」を発表しました。このミッションは、史上初となる
女性の月面到達も目指す計画です。
幸運にも、我々もこの有人宇宙開発の節目となる年に、本雑誌「宇宙・医学・栄養学」を
創刊することとなりました。
アルテミス計画をはじめ、火星探査も視野に入れた、いわゆる 21 世紀の新しい宇宙大航海時代が
幕を開けようとしています。15 世紀半ばに始まるヨーロッパの大航海時代では、遭難や難破、
壊血病や疫病感染などによって、乗組員の生還率は 20%にも満たないほど危険極まりないものでした。
もちろん、無重力や宇宙放射線などの宇宙環境が人体に及ぼす影響などに関する情報は、
15 世紀のものとは比較しようもないほど多いですが、人類を火星に送るということは、
人類史上最大の出来事と言ってもよいでしょう。
我々の有するすべての知識、資金をつぎ込むに値する事業です。
そのような大事業に、我々は、医学と栄養学の面からサポートしたいと考えています。
「宇宙と医学・栄養学がどのように関連するの?」という疑問に思う人も多いでしょう。
宇宙飛行士が、安全・安心して、火星で活動するためには、宇宙環境により起こりうる疾患
(いわゆる宇宙病)と考えられる骨粗鬆症、筋萎縮や放射線障害などを克服するには、
医学の進歩が必須です。また、宇宙での活動が長く
なればなるほど、外科的な疾患に対する対処方法も必要となってきます。
幸運にもこれまでは宇宙で手術が必要な事故やけがはありませんでしたが、無重力でも宇宙飛行士は
捻挫や打撲を頻回に経験しているそうです。さらに、今後は男性を上回る数の女性宇宙飛行士が
宇宙に飛び立つのではないでしょうか。
これまではほとんど無視されてきた産婦人科的なケアも必須となることが推察されます。
一方、宇宙飛行士はロボットで無いので、宇宙でも食事をしなければなりません。
栄養素不足で無くならないように、食糧を供給できるようにしなければなりません。
本誌は、人類が火星面に降り立ち、そこで生活できるようになることやそれを目指そうという方々に有益
な情報誌となることを目指しています。しかし、余り専門的にならず、単に宇宙に興味のある人でも
楽しくアクセスできる議論できる場にしたいと考えています。
そのためには、有人宇宙開発の鍵となる「医学」と「栄養学」をわかりやすく読者に解説することが必要です。そして、人類共通の課題である「宇宙には地球外生命は存在するのか」、「我々人類はどこからきたのだろうか」といった問題に挑戦しうる若者を発掘したいと思います。ともすれば、近年の宇宙開発は経済活動の一環として諮られことが多く、本雑誌は、(有人)宇宙開発を、「夢」や「熱意」をもった温かいものにしたいと
思っています。数十年後、宇宙に飛び立った日本人が、「この本を読んで宇宙を目指しました。」と
言ってくれることを願い、創刊いたします。
以上

創刊号:目次


巻頭言: 二川 健
創刊に寄せて:自治医科大学学長/東京大学名誉教授/きぼう利用推進有識者委員会委員長
永井 良三
特 集:21 世紀の宇宙大航海時代の幕開け
創刊記念座談会「宇宙医学、栄養学の現状と将来展望」:本誌編集委員
連載:宇宙科学の開拓者たち/あの人に聞きたい
第 1 回 日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋宇宙士に聞く
インタビューアー:大島 博(本誌:編集委員)
トピックス①:世界初、宇宙食料マーケット創出を目指す“Space Food X”
小正 瑞季氏(リアルテックファンド グロースマネージャー)に聞く
トピックス②:JAXA が考える宇宙探査シナリオ
佐々木 宏氏(JAXA 国際宇宙探査センター センター長)に聞く
トピックス③:はやぶさプロジェクトが果たした役割
矢野 創先生(宇宙科学研究所(ISAS))に聞く
メーカーインタビュー:
・「宇宙×食」のビジネスにおける可能性と今後の展開
株式会社ユーグレナ 鈴木健吾氏に聞く
・さあ、宇宙データビジネスをリ・デザインしよう!
さくらインターネット株式会社
研究会報告:テーマ「機能性宇宙食と宇宙植物栽培」
(日本航空環境医学会 平成 30 年度宇宙基地医学研究会より)
Ⅰ 宇宙植物栽培研究の国際動向 矢野 幸子
Ⅱ 機能性宇宙食の開発について 二川 健
Ⅲ 宇宙での物質循環型植物栽培システム 北宅 善昭
Ⅳ 病虫害フリーな植物育成技術の開発 寺島千晶・後藤英司・大西昇・布施哲人・水谷敦司
総説論文:骨の健康維持に着目した機能性宇宙食に関する研究
石見 佳子(東京農業大学総合研究所)・松本 雄宇(東京農業大学応用生物科学部)・
東泉 裕子(医薬基盤・健康・栄養研究所)
活動紹介・報告:Space Medicine Japan Youth Community について
石橋 拓真(東京大学医学部医学科 3 年)
エッセー:「うんと高い所を目指す」
菊地 涼子(NPO 法人 KU-MA「子ども・宇宙・未来の会」)

以上