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巻頭言

  医療を行っていく上で、医療材料は、医薬品と並び欠くことができない
 車の両輪である。しかし、医薬品と比し医療材料に関する系統だった情報
 提供量は少なく、医療現場からの情報の集約に関しても、その方法、医療
 現場へのフィードバックなど不明なことが多い。その結果、日進月歩で変
 化していく医療材料の情報提供と質の評価が適切になされているかどうか
 に現場の医療従事者は少なからず疑問を抱いている。
  今後、医療機関の収入の減少が予想される中、経営面からは、コスト削
 減が、これまで以上に重要となってきている。保険請求ができない、ある
 いは包括される医療材料は、その最大のターゲットとなっている。しかし、
 多くの医療機関では、医療材料の選定に当たっては、実際使用する現場の
 意向が優先されることが多く、医療材料のコスト削減はままならないのが
 現状である。これは、医療材料の評価と情報量が不十分なことにもよるが、
 医療機関に医療材料・資材に関する総合的な知識を持ちマネジメントを行
 う専門家がいないことが大きな原因である。
  今年、日本医療マネジメント学会では、これらの医療資材の問題点を多
 角的に調査・検討する医療資材検委員会が新たに設けられた。医療資材に
 対する医療現場の関心を高め、調査・研究を推進し、人材を育成し、医療
 資材の質の向上と効率的使用に貢献することが目的である。情報を広く収
 集し発信するには、その手段が必要である。この度、篠原出版新社から季
 刊誌『イザイ』が刊行され、その監修を日本医療マネジメント学会医療資
 材検討委員会が行わせていただくことになった。今後、医療現場に視点を
 置いた医療資材に関係する多角的な情報提供を行っていく予定である。本
 誌あるいは医療資材検委員会への各方面からのご意見、情報をお待ちして
 いる。

          日本医療マネジメント学会理事
          国立病院機構熊本医療センター統括診療部長 野村一俊

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